大きな変化: デリー高等裁判所知的財産部
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大きな変化: デリー高等裁判所知的財産部

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著者: Surendra Sharma, Udayvir Rana

ここ数年、デリー高等裁判所は、インド国内の知的財産権 (「IPR」) に関する紛争解決の主戦場と目されるようになった。「2022年デリー高等裁判所知的財産権部門規則」による知的財産部 (「IPD」) の創設がその足場を固め続けている。IPD は、知的財産に関する案件を排他的に裁定することを目的に開設された、優れた専門部門である。専門家裁判官であることが明らかに有利に働くが、それ以外、IPD は、手順においても進取的である。

IPD の開設

2021年4月4日、審判所改革 (サービスの合理化と条件) 法令2021 (後に審判所改革法 2021に改称) が公布され、知的財産上訴委員会 (「IPAB」)が廃止された。この状況は、IPAB で係属中のすべての事案が各高等裁判所に移管されたため、国内の知的財産慣例にとって大きな変化となった。IPAB 等の専門的な紛争解決審判所の廃止と、一般裁判所との入替は、 後者の裁判所が非常に複雑で技術的な意味合いのある IPR 案件をどのように認識するかについて懸念が上がった。このほか、高等裁判所にある既存のバックログの問題もあった — IP (知的財産)紛争の解決に要する時間はこれでさらに長くなったと恐れるものが多い。

デリーの高等裁判所がかつての IPAB から移管された IP 事案は約 3000 件に及ぶ。これらの事案を迅速に処理し、かつ IP 紛争の裁定を合理化するため、デリー高等裁判所主席裁判官により委員会が立ち上げられた。 世界全体でほぼ40の異なる管轄裁判所で一般に行われている慣例や手続きに対して、極端なほど強力に評価した後、同委員会は、IP 部 (IPD) の創設 – すなわち、専門家による IPR 裁判職の立ち上げを推奨した。この部門の権限には、新規と係属中の侵害訴訟、特許/商標/著作権局の審決に対する控訴、特許/商標登録の取消/削除訴訟および補正申請を含む、IP に関連した事案のすべてが含まれる。

デリー高等裁判所の知的財産部 (IPD) は2021年7月7日に公表され、ステークホルダーとの事後相談が2022年2月24日に実施された。「デリー高等裁判所知的財産権部門規則」 (「規則」) および「特許訴訟に関するデリー裁判所規則2022」が通知される予定だった。IPD 前の各種手続きに対して新しい命名法を付与する以外に、両規則は、侵害訴訟、取消請願、インド IP 局を通過した拒絶命令に起因する控訴、および過去 IPAB が管理したその他手続きを含む、各種の措置についての手続きおよびタイムライン全体的にとって基本となった。

2015年の「商業裁判所」の創設がすでに変化のときを迎えていることをここで取り上げておくのは適切だろう。これで、国内の IP 事案はすべて、「商業事案」となり、タイムライン管理や手続きが厳格となり訴訟は短期化される。訴訟完了について期限が柔軟に設定され、事案管理手続きにより、裁判官は、訴訟の速度を監督、管理および監視でき、いずれかの当事者が法廷での勝訴見込みがない、および一人の裁判官の暫定命令に対して高等裁判所のより大きな法廷に上告する案件の例が大幅削減される場合、略式判決を下すことが可能となる。2018年と2022年のデリー高等裁判所の就業規則改変により、電子的方法によるサービス、ビデオ会議の録画、および両当事者間で機密情報を交換する方法として「機密保持クラブ」の開設も可能となった。

IPD 規則では、これらのコンセプトが強化され、「ホットタブ」(相対する2人の専門家の証拠を同時に取得する)等、新しい考え方も加わる。また、IPD 規則では、高等裁判所が主題専門家にサポートを求めることができ、裁判官が日次ベースで、デリー高等裁判所(正規)規則で任命された法律研究者以外に法律研究者2人に技術的法的面でサポートをするよう委託することになる。このほか、IPD 判事が、訴訟の両当事者が仲介を求める必要があると判断する場合、裁判所は有資格の仲介者またはIP の特定分野の専門知識を有する仲介者を含む、仲介者パネルを任命できる。特徴的な点は、裁判所が両当事者が友好的解決を模索する必要があると判断する場合、両当事者の同意は必要ないことである。ただし、仲介手続きは、裁定が遅延しないようにするため、裁判所の法的手続きと並行して行うことができる。IPD 規則には、障害のある方向けの特別条項も含まれているのは、取り上げておくべきだろう。

当初、デリー高等裁判所の2つの陪審は、すべての IPR 主題の審理を専門としていた。もっと最近では、デリー高等裁判所での IPR 事案の分量が増えたため、第三陪審が創設されている。

デリー高等裁判所の IPO は、正規の管轄区とは別に、侵害管轄裁判所、IP 局の控訴管轄裁判所、商業裁判所の改訂管轄裁判所、および IP 局を監視する特別命令管轄裁判所がある。

進捗管理

振り返ってみると、IPAB の廃止は、権利保有者が不利であることを実証してはいない。IPAB は、長期係属中の IPR 案件数件を解散の6ヵ月前に解決しなければならない状況の中で、IPAB が2003年の開始以降、その道のりは決して円滑なものではなかったと述べている。管理の難しさ(技術/司法構成員の任命)および長期にわたる IPAB にかかるリソース不足、並びに効率的な機能の崩壊等がある。IPAB の時間に限りがある IPR 事案の迅速な裁定能力は大きく阻害されるときがあった。また、IPAB には、国内で都心部には裁判職が4人しか在籍していないことも権利保有者にはフォーラムの利用の障害となった。特に、国内の規模の小さな/遠方地域在住の者には顕著だった。

IPD 開設から約6ヵ月が経ったが、成果は賞賛に値する。IPAB 前の審理会と IPD との間で1つ大きな差は、インド IP 局の代表にある。IPAB 前にインド IPD が出廷することがときどきあったが、これも変化した。高等裁判所へのインド IP 局の指名相談役は、両当事者が司法解散前に意見を聞かれたかの確認が義務化されている。また、健全な命令と判決の堅実な制度が、下記で討議された決定が裏付けられる中で、インド IP 管轄裁判所を変革する IPD 裁判職により発行されている

IPD 規則では、特定の商標または特許が複数の訴訟で懸案となっている場合、裁判所は個別手続きを共通の法廷に統合することができる。商標削除に関する事案 (Octave Apparels 対 Nirmal Kumar trading( 通称 Apricot Fashion Alloy & Anr.)[C.O. (Comm.IPD-TM) 352/2022])では、規則で権限を行使し、IPD 裁判職が、同じ当事者間の同一商標に関する地方裁判所に起訴された訴訟をデリー高等裁判所に移管し、そこに起訴された削除訴訟とあわせて審議するよう指示した。いずれの当事者の権利の救済も損なうことなく、統合したことで、裁判時間および訴訟関係者の費用も抑えられる。著作権を巡る最近の事案 (Phonographic Performance Ltd. 対Lookpart Exhibitions and Events Pvt. Ltd.; CS(COMM) 188/2022)では、裁判所が紛争の主題に関連した独立専門家の支援を求めることができる規則で、独自な別の特徴が浮き彫りになった。ここでは、結婚式や宗教儀式で演奏される音楽が著作権侵害に当たる、あるいは制定法の例外の範囲内にあるのかというのが論点だった。1957年制定の著作権法の条項には行政的な意図がある点を考え注記を作成するため、および当該の問題について外国の管轄区の裁判所を支援するため、専門家が任命された。説得力があり、技術的に有用な意見があることで、裁判所は、十分に合理的な判断を下すことが可能となる一方、IPR 紛争での微妙な問題に対処することができる。

特許に至っては、500件に近い特許事案(IPABより移管)が特許局により挙げられており、今後数ヶ月で IPD による真価が問われると思われる。実際、特許法でグレーゾーンを明確化することを求める重要な判決が数件言い渡されている。例えば、欧州連合 対 インド連合 (W.P.(C)-IPD 5/2022 および 6/2022)では、裁判所は、例外を掘り返し、インド特許局には、制定法上の期限を延長する権限がない可能性がある中、同裁判所は、特別な環境においては、憲法第226条による命令書管轄権を行使し遅延を容認できると主張した。特に、裁判所は、出願人に当該の出願を放棄する意図がないのは明白な中にあって、審査通知への意見書提出期限を順守しなかったことが「容認できる行為に当たる可能性があり、しかも、インドの弁理士は、その出願人の意図に反する行動を取った」と主張した。ただし、裁判所は、当該の遅延を容認する管轄権の行使は隠れ蓑ではなく、各事案の特定の事実に基づくものだろうことを明確にした。

Agriboard International LLC 対 Deputy Controller of Patents and Designs (C.A. (COMM. IPD-PAT) 4/2022)では、審査管理官は、先行技術のいくつかの例を挙げ、発明手順の不足の根拠について審査の段階で出願を拒絶したが、その審決に当たり理由を慎重に検討しなかった。発明の技術的特徴を深く分析することで、IPD は、当業者が先行技術を参照して特許出願の教理にどのように到達できるかについての説明には具体的な理由づけが必要であると主張した。特許局が発行した命令での具体的な理由づけが必要であるとの見解を過小評価し、審査管理官の拒絶は脇に置かれ、事案が再検討のため、特許局に差し戻された。

特許局の審査管理官は、請求の補正の場合、明細書に追加特徴を請求項に追加できると主張することがよくある。Nippon A&L Inc. 対 The Controller of Patents (C.A. (COMM. IPD-PAT) 11/2022) では、IPD は、特許審決前の特許明細書または請求項の補正は、より狭義ではなく、より柔軟に解釈されるべきだと主張した。裁判所は、補正前後の発明は「当該の発明が公開事案の範囲で理解されるかぎり」、承認前の補正の場合、同一である必要はないことを明確にした。

監督管轄区

IPD 規則の中でもう1つ特筆すべき特徴は、IPD 裁判職に許可された監督管轄権である。これにより、IPD は、控訴審が IP 局が出した決定から離れていても、インド IP 局の機能全体を強化するための命令を出すことができるようになった。5件の個別命令請願の1つについて2022年3月2日に IPD が出した命令 [特許、意匠および商標の特許局長に対する命令請願] は、全 IP 保有者について商標異議申立書の法的立場を明確にするのに役立つことから、当該の管轄権行使の適例である。感染拡大の状況を鑑み、インド最高裁判所は、2020年3月15日から2022年2月28日までの間、一連の通知をもって、制限締日を延長していた (「延長期間」) – 当該の期間は、司法および準司法機関の両方(商標局も含むことになろう)の前では、全制定法における制限計算から除外される予定だった。ただし、「延長期間」中に商標異議申立書の提出を希望した特定の個人は、商標法で規定した制定上の4ヵ月間は有効期限切れとなったことを根拠とし商標局によりその点許可されなかった。むしろ、同局は、当該の個人が意見書を求めていた特定の商標出願に優位な形で、登録証明書の発行に移行した。 Ergo、すなわち、前述の命令請願が提出され、商標登録スタンスへの課題となった。請願者に優位な形で裁決し、IPD は、異議申立書は当初4ヵ月の異議申立期間を超えて提出することができると主張し、最高裁判所の の「延長期間」に関する命令が適用されるためとした。 当該の商標について付与された登録証書は、当該の異議申立書が決定されるまで一時停止された。

商標の異議申立書については、2022年3月現在、インドの5つの商標局の前で225,000 件の異議申立事案が係属中となっているが、そのかなりの部分は、審理予定の待機中だ。IPD が今年3月に係属中の事案について報告を受けたとき、IP 局に対して、係属段階のものを含め、すべての係属中の異議申立事案の詳細を年単位で記録であるバックログ解決についての提案をするよう指示した。IP 局には、その後、供述書が提出され、すべての遅延の主な理由として人材不足を開示した。是正措置も概略は決まったが、実際、30名の新審理官の採用と研修については今完了した状況だ。審理予定はすし詰め状態で、異議申立事案は処理が追いついてきている。進捗状況報告書は、IP 局から裁判所に数日で届く見込みだ。IPD の監督管轄裁判所は、このような流れで、IP 局機能の合理化に向け重要な補完機関となるだろう。

終わりに

各種のイノベーション指数が目立つ ― グローバルイノベーション指数またはインドイノベーション指数-知的財産の育成、保護、執行および現金化がインドではますます目立つようになっている。インド IP 局の IP 申請率が上昇し、また IP 訴訟率も上がってきていることが、この決定的な証拠である。当該の IP権利は有限の権利であり、特に特許については、複雑な技術的な面が絡んでくる。権利保護や紛争解決に遅延が生じる場合、知的財産の経済的価値が脅威にさらされる。このバックログに抗う形での IPD の創設とデリー高等裁判所による専門の規則群の設定は、評価が高い。

IPAB 廃止から1年半の期間内に、効率化とさらなる IP 法学の合理化に向け非常に積極的な措置が講じられた。国内の他の高等裁判所がデリー IPD モデルを参考にして、インド全土の IP 紛争裁定に一貫性が得られるよう真摯に願う。

Surendra Sharma(スレンドラ)は、 2012 年新卒で同社に入社。特許出願、特許諮問、カウンセリング、特許分析および特許出願書起案の業務を主に担当している。情報技術、通信、機械工学、再生エネルギーおよび冶金等、多岐にわたる技術分野の顧客を担当。このほか、スタートアップ企業の特許権保護の実現についての諮問を行う。インド裁判所にて開業許可を得、通常は、裁判所で顧客を代行して審理に出廷している。

また、 IP 法令の研究に熱心に取り組んでおり、最新の情報や状況についてその場ですぐ確認できる同僚として信頼は篤い。

Udayvir Rana は、 2017 年に Remfry & Sagar に入社。商標、著作権、ドメイン名および意匠法違反に関する係争事案で顧客をサポートするほか、高等裁判所、最高裁判所および知的財産上訴委員会それぞれで顧客代理人を務める。 IP 施行問題を主な業務として担当。 IP 支持者でオンラインブログを熱心に確認しており、常時、 IP 政策や管轄権の最新情報に詳しい。

Udayvir は、入社前、法律大学で知的財産権の教師補を担当した。

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