マドリッド出願-対-直接出願 選択すべき方法です!

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マドリッド出願-対-直接出願 選択すべき方法です!

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Satyapon & PartnersのKritsana MingtongkhumとShantanu Ajit Tambeが、マドリッドプロトコル・ルートでタイに新規商標出願する場合と直接出願する場合を比較し、そのメリットとデメリットについて解説します

タイは2017年11月にマドリッドプロトコルに同意し、正式な加盟国になりました。これ以来、タイを指定する国際出願は着々と増え続け、2021年8月20日の時点で、タイで出願された合計32,546件の申請が、マドリッドルートを経由しています。タイ商標局から得た最新の数字によると、マドリッドプロトコルを使用してタイで提出された出願件数は、同局で直接提出された出願数と合わせて、合計出願数の急増につながっています。

今年迎えるマドリッドシステムへの参加4周年に向けてタイが準備を進める中、権利保持者らがこれまで大きな恩恵を受けてきたことは明らかです。マドリッドプロトコルがこれほど成功している理由を理解するのは、難しいことではありません。集中化されたマドリッドシステムは、権利保持者らの商標ポートフォリオ全体を管理するワンストップのソリューションを実現し、本国において1件の国際出願を提出することで複数の管轄地域を指定したい出願者にとって、コスト削減という意味で明らかなメリットがあり、通常より便利です。

しかし、マドリッドシステムの数多くの利点を認識する役目が商標所有者に委ねられている中にあって、タイの商標制度と審査慣習は通知なしに変更されることが多く、さらに個々の審査員の裁量に大きく依存しており、これを考慮するとコストメリットは別として、本当にマドリッドルートを使うことが、タイで保護を得るにおいて最良の選択肢であるかどうか、検討することが必要です。タイを指定して国際ルートを選択することのメリットとデメリットを比較検討することで、商標所有者が強く求めているように今後進むべきベストな道が明確となり、保持者の商品やサービスの商標権が保護され、この権利がトラブルなく紛争において執行されるようになります。

タイを指定して国際出願することが、最も実行可能性能のある選択肢なのでしょうか?

WIPO経由でタイ商標局に転送される国際出願を審査するために、知的財産局(以下「DIP」という)は、商標局内にマドリッド出願受領局を設置しています。それまではが直接出願したもののみを審査していた審査官は、タイの商標法に基づく通常の手続きに従って国際出願の審査を行。年々増え続けるマドリッド出願に対し、残念ながら慎重に審査するための審査官の数の増加は追いついていません。

タイはWIPOに対するその出願に対し、18か月以内に保護を認めるか、または却下通知を発行することが義務付けられており、このため多くの場合、出願者は商標局から却下通知を受け取るまでに16~18か月待たなければなりません。

商標局は、国内の慣習に基づいてその商標の登録可能性と、商品やサービスの仕様の容認性を審査しますが、仕様にはその商品やサービスの各項目が明確に区別されてなければならず、漠然としていたり、広範であったりしてはいけない、としています。その結果、私たちの経験では、国際出願の大多数が少なくとも一度は、仕様の修正を理由として仮拒絶を受けています。

仕様由来の拒絶に関する現在の審査慣習では、いくつかの特定項目に対して仮拒絶通知が発行されて、その発行日から90日間以内に出願者が回答しない場合、その出願の異議対象となっていない項目も、自動的にそれ以上手続きが進まないことになっています。代わりに、申請者に異議対象項目を修正する2度目の機会を与えるために、登録官は「拒絶確定声明」を発行します。拒絶確定声明の発行期間は規定されておらず、そのため審査が大きく遅延します。拒絶確定声明を受領してから90日間以内に出願者が応答書を提出しない場合には、拒絶確定声明が確定し、その出願は出願者によって放棄されたものとみなされます。したがって、拒絶確定声明を受領したら、出願者は地域の代理人を指名して、その通知に対応しなければなりません。

仕様は、専門家による助言を受けずに翻訳されることが多いため、商標出願者にはタイ語で記録された仕様の正確さを確認する手段がありません。法的には、その商標が一旦登録されると、英語からタイ語への誤訳を理由に、商品やサービスの仕様を修正することは不可能です。どんな項目の誤訳も、商標の紛争や侵害が発生した場合に登録者の権利にマイナスの影響を及ぼす可能性があり、これは、登録商標の権利の範囲は、厳密にタイ語での登録に記録されている商品やサービスだけを対象とする、と商標法第44条で定められているからです。したがって、曖昧さなく、厳密に何に対してその商標が登録されているかを、登録者が認識することが不可欠です。

最後に、多区分出願においては、却下や反対手続きが発生した場合に、多区分出願を分割したり分けたりする対応はありません。1つ以上の区分に対して拒絶理由や反対手続きがある場合、その出願すべてが遅延することになります。出願者が残りの区分の手続きを先に進めることを希望する場合、この問題となっている区分を願い下げなければなりません。

 

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直接国内出願の方が良い選択肢でしょうか?

国内代理者を通してタイ商標局に直接提出された出願は、提出日から通常10~12か月以内に一度目の拒絶理由通知を受領するため、マドリッド出願の仮拒絶通知よりも、大幅に早く受領できます。直接出願を選択する申請者にはさらに、申請の継続的な監視や検索を、地域のエージェントに頼ることができる、というメリットもあり、これは出願者が仮拒絶通知が発行されるまで待たなければならず、通常出願の審査迅速化を申請する手段のないマドリッド出願にはないメリットです。

過去数か月間でDIPは、新規商標出願の登録プロセスを迅速化するために、いくつかの方針を導入しており、商標審査慣習を大きく改善しています。その中でも最も際立っているのはファストトラックシステムで、これは新規出願の審査期間の短縮を目的としています。ファストトラックシステムを利用するには、商標出願者は以下の条件を満たす必要があります。

– 出願対象の商品やサービスが10項目未満であること。

– 商品やサービスの記述が、タイの区分慣習に準拠していること、さらに

– その出願時点において、氏名、住所、譲渡、相続、または獲得した識別力による出願といった所有者の詳細を変更するための修正申請がないこと

商標出願者がこれらの要件に準拠すれば、タイ商標局に直接提出された新規出願は、提出日から10~14か月程度で登録に至ると予測され、これは現在のマドリッド出願の期間よりも大幅に短くなっています。マドリッドシステムで提出された国際出願は、提出日から最初の審査報告書が発行されるまで18か月間の期間に比べて、ファストトラックシステム対象では6か月以内に発行されます。

国内代理者を通して直接提出する出願にはさらに、最新分類慣習に準拠していることを確認するための、指定仕様の提出前の確認、というきわめて大きな利点があります。提出前に母国語による商品やサービスの正確な記述について専門家の手引きを受けることで、出願者は権利の範囲について重要な情報を得ることができ、さらに実際に提出する前に製品やサービスの記述を最大限改善する機会が与えられ、これは審査中のコスト削減につながる可能性があります。登録後も、製品やサービスの記述が明確だと、紛争や侵害が発生した場合の権利の執行につながります。

結論として、マドリッド出願と直接出願のいずれにも明確なメリットがあるものの、商標保護の指定管轄地域としてタイを選択する場合、出願者は双方の選択肢のメリットだけでなく、それにともなうリスクも認識することが重要です。そうすることによって、出願者が効率的にブランド保護戦略を最善の方法で計画することができます。

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Kritsana氏は、Satyapon & Partners Ltd.のパートナーであり、商標部門および訴訟部門の責任者として、膨大な数の商標訴訟、執行、および訴訟案件を監督しています。IP(知財)業界におけるKritsana氏の評判は飛躍的に向上しています。彼は最近、同業他社によってASEAN IPAタイ委員会の2期目に選出され、APAA商標委員会のメンバーとしてAPAA委員会の委員に選出されました。また、タイ知的財産協会 (IPAT) での長年のボランティア活動を経て、Kritsana氏は現在、組織の事務総長に就任することになりました。

 

 

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Satyapon & Partners Ltd., のシニア・アソシエイトであるShantanu氏は、ブランドの創造と保護の戦略、ブランドポートフォリオの管理、知的財産の取得、および知的財産のライセンスに関して、6年以上にわたって顧客にアドバイスしてきた経験があります。Shantanu氏は主に、インド、中国、ASEAN地域を含む海外での商標と著作権の訴追、訴訟、執行を監督しています。Shantanu氏は、同社のビジネス開発グループに欠かすことのできない一員であり、商標、著作権、およびドメイン名に関する専門知識をはじめ、さまざまな知的財産問題に関する幅広い実務知識を有しており、これらの問題に関して国際的な顧客と頻繁に意見を交わしています。

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Hurtado Rivas is general counsel for brands and marketing properties, anti-counterfeiting and licensing at Nestlé in Switzerland
Stelling is a co-founder of Brand Action
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